登場人物


彩女
わずか十四歳にして東忍流の皆伝を与えられた才女。
秀でた才能は、伝統にとらわれない独自の技に妙実に表れており、
誰からも一目置かれている。
普段は冷静だが、ひとたび自分が想う者(とりわけ菊姫)に事が及ぶと、
熱くなりやすい
小国の国境にある忍の集落・葉隠れの里の忍。
天涯孤独の身となってからは、里を出て仇を追う日々を送っている。
津にいる間はお吟の勤めを受け、始末屋をしながら仇を捜している。
殺しの技には長けているものの、純朴で朗らかな少女。
たつ吉
箱掛の宿の芸者。
黒屋が箱掛に乗り込んで以来、重蔵に囚われている。
重蔵に心底惚れており、扱えもしない刀を手にして彩女に抵抗しようとする。
熊五郎
望月洞の近くに住む熊。
生まれたばかりの子と、最愛の妻のためにエサをとって帰ろうとするが、
父を殺した仇である彩女と遭遇してしまう。
よみがえる苦難の日々。抑えきれぬ衝動は、彼に守るべき家族があること
さえも忘れさせてしまった。
那須
技摩の治を行うと見せかけて、夜な夜な女子の寝所に入り込み、身動きを
取れないようにしては悪さを行う子悪党。
とは言え、剣の腕もなかなかのもので、仕込み刀を使った居合いを得意と
する。
黒屋の始末屋。
剣の達人で、生涯において、千人斬り成し遂げることを目指している。
硝とごろついている時に、重蔵に声を掛けられ、黒屋に身を寄せた。
黒屋にいることで、人斬りの成果は飛躍的に伸びており、その数、
現在九百九十九人。
双葉
単葉の双子の姉。
凛と同じく葉隠れの里出身で、重蔵と共に里を裏切った忍の一人。
里にいた時は、全ての術に一歩秀でていた凛への劣等感から、
凛を敵視ししていた。
惚れている重蔵が、凛に関心を持っているのが面白くない。
単葉
凛と同じく葉隠れの里の出身の忍だったが、重蔵にそそのかされて里を
裏切った。
里を出てからは、同じ里の出身で双子の姉・双葉と共に黒屋の始末屋と
して生きていた。
仕掛け籠手で炎を自在に扱う。
すけこましの乱造
黒屋の始末屋。
請け負う仕事の中でも女殺しを好んで引き受ける異常者。
黒屋の始末屋は自分より力の弱い女を殺すことを良しと
しない者が多い。その中にあって、乱造は進んで殺しを
引き受けるので、重蔵にはかなり重宝されている。
だんまりの硝
黒屋の始末屋。
鏑と共に重蔵に拾われてからは、重蔵の男気に惚れ込んでいる。
通り名の由来は、三味線弾き以外では、全く音や声を立てずに
殺しを遂行するところから。銃を仕込んだ仕掛け三味線を扱う。
黒塗りの重蔵
各地を転々としながら、殺しを請け負う始末屋集団『黒屋(くろや)』の
元締め。
元は凛と同じく葉隠れの里の出身で、次期頭領と目されろ程の忍びだった。
任務に生きる忍びとしてではなく、殺し屋として、己の力を遺憾なく
発揮する道を選ぶ。





- B A C K -